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網膜硝子体疾患

網膜硝子体疾患

目の網膜はよくカメラのフィルムに例えられ、ここに像が映ることで物を見ています。カメラのフィルムはどの部分でも感度は同じですが網膜は中心部に感度が集中しています。この部分を黄斑といい、目に入った光をとらえる視細胞が密に集まっているために感度が高く、より鮮明に色や形を感じることができます。黄色の色素が多く黄色に見えることから黄斑と呼ばれ、網膜で一番大切な部分です。黄斑が病気になると視力低下やゆがみなどの自覚症状が出ます。黄斑に起こる代表的な病気には加齢黄斑変性症、黄斑上膜、黄斑円孔などがあります。網膜全体では糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症、網膜剥離などの病気があります。これらの網膜の病気は網膜の前にある柔らかいゼリー状の硝子体が関係していることもあり、網膜硝子体疾患と呼ばれます。

  • 見えにくい
  • 文字や線などが歪んで見える
  • 右と左で大きさが違って見える
  • 視界に黒い糸くずのようなもの、黒い点、光が走って見えたりする(飛蚊症)
  • 糖尿病、高血圧、高脂血症などの持病がある

以上のような方は眼科で検査を受けることをお勧めします。散瞳薬を点眼して瞳孔を広げ、眼の奥をくわしく見る検査(眼底検査)を行います。

散瞳して眼底検査を行う場合、点眼薬の作用が出て瞳孔が広がるまで20~30分間かかり、その後瞳孔が元に戻るまで4~5時間かかります。その間見づらく、まぶしくなりますので眼を使う作業などの予定がある方はご注意ください。当日検査後4~5時間はお車の運転はお控えください。

飛蚊症(ひぶんしょう)

視界に黒いものが飛んで見える状態を飛蚊症といいます。眼の中は硝子体というゼリー状の物質で満たされており、眼に入った光は硝子体を通り光を感じる網膜に達します。何らかの原因により硝子体の性状が変化したり、硝子体内に濁りが生じると飛蚊症として自覚されます。黒い虫のようなものや糸くず、リング状、すすのようなものなど見え方は様々です。視界の端の方で光って見える光視症として自覚されることもあります。

飛蚊症の原因は生理的な要因と治療が必要な病的な要因に分けられます。生理的な要因は加齢による変化がほとんどです。加齢により眼の中の硝子体がゼリー状から液状に変化し、硝子体と眼球の内側の壁である網膜との間に隙間ができます。この状態を後部硝子体剥離といい、飛蚊症の原因となります。生理的な変化であり特に治療を要するものではありません。硝子体の性状が液状に変化していくにつれ気にならなくなることが多いです。病的な要因としては網膜裂孔・網膜剥離、糖尿病網膜症や高血圧性網膜症などの出血、ぶどう膜炎などです。これらは、飛蚊症の原因となった病気の治療が必要となります。
飛蚊症の多くは加齢に伴う生理的なものですが、一部は治療を要する病気の前触れである場合があります。自覚症状だけでは治療を要するものかご自身では判断が難しいです。飛蚊症を自覚されましたら眼科受診することをお勧めします。

硝子体出血

何らかの原因で眼球の中を占めるゼリーの部分である硝子体の中で出血を起こしている状態です。飛蚊症の症状であったり、ひどくなるとまったく見えなくなるということもあります。
原因としては網膜裂孔など後部硝子体剥離にともなうもの、糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症などの網膜の新生血管の破綻などがあります。出血が少なければ自然吸収を待つことも可能ですが、出血が持続する場合や網膜剥離が疑われる場合は早めに手術が必要となります。

加齢黄斑変性症

加齢黄斑変性症とは目の中心部である黄斑部に障害が生じ、中央のゆがみが出現する病気です。50歳以上の80人に1人が発症するといわれています。欧米では成人の失明原因の第一位であり、決して珍しくない病気です。日本でも高齢化と、生活の欧米化により近年増加しています。発症のリスクとしては加齢ですが、その他に喫煙や紫外線なども関係しているといわれています。

加齢黄斑変性症は網膜の外側に位置する脈絡膜から新生血管が発生するタイプ(滲出型)、新生血管はないが網膜の細胞が加齢により変性し、老廃物がたまり傷んでいくタイプ(萎縮型)に分けられ、治療法も異なってきます。加齢黄斑変性症を診断するには眼底検査、OCT(光干渉断層計)などの詳しい検査が必要です。
加齢黄斑変性症の治療は硝子体内に薬剤を注射する抗VEGF療法という方法が一般的です。早期に発見、治療することで治療後の見えない部分を最小限に抑えることを目指します。しかし、抗VEGF療法は病気を治す治療ではなく、進行を抑制する加療のため、病状によっては2~3ヶ月おきに複数回の注射が必要となることがあります。他にはレーザー凝固、手術等を行うこともあります。

一度発生を抑えたとしても再度生じる可能性が高いため、継続的な治療、経過観察が必要となります。片眼の発症だと歪みに気づかなかったり、進行がゆっくりな場合、自覚症状がないこともあります。50歳以上の方は自覚症状がなくても定期検査を受けることをお勧めします。加齢黄斑変性の進行抑制の成分として、ルテインが注目されております。ルテインは緑黄色野菜に多く含まれていますが、サプリメントの摂取も予防法のひとつです。

その他の黄斑疾患

黄斑疾患とは、黄斑部という網膜の中心部に異常を来たす疾患です。黄斑部には、文字や色を識別するほとんどの細胞があり、網膜の中でも視機能が最も鋭敏なところです。

黄斑前膜

網膜上膜、黄斑上膜、網膜前膜、黄斑前膜という名前で呼ばれます。主に加齢による変化で黄斑部の表面に余計な膜が生じる病気です。その膜が黄斑に皺をよせるため物が歪んで見えたり、視力が低下したりします。徐々に視力低下をきたすことが多いですが、進行してから手術するよりも早期に手術をするほうが視力予後は良いとされています。治療はその膜を除去するために硝子体手術が必要となります。

黄斑円孔

黄斑部に丸い穴があく病気です。網膜の中心である黄斑は、視野の中心を担う非常に大事な場所であり、黄斑に穴があくと、見ているものの真ん中が非常に見えにくく、字が欠けて見える、見たいところが見えない、などの症状が出ます。治療は硝子体手術が必要となります。

中心性漿液性網脈絡膜症

黄斑部に水がたまる病気です。働き盛りの男性に発症することが多いです。はっきりとした原因はわかっていませんが、ストレスやステロイドの使用が関与しているといわれています。症状は視力低下、ピントの合いづらさ、暗く見える、ゆがんで見えるなどです。自然治癒することが多いですが、症状によってはレーザー治療を行うこともあります。のちに加齢黄斑変性症を発症することもあり、経過観察が必要です。

網膜裂孔・網膜剥離

網膜裂孔は、眼球の中を占めるゼリー状の硝子体の変化(後部硝子体剥離)で網膜がひっぱられ、網膜に穴や裂け目ができることです。加齢による変化、眼をぶつけるなどの外傷が原因となります。網膜裂孔ができると飛蚊症の症状が出ますが、症状を自覚されないこともあります。網膜裂孔を放っておくと網膜がはがれ、網膜剥離に進行し視野が欠けたり、失明に至ることもあります。レーザー治療で対処できることもあれば、手術が必要になることもあります。いずれにしても早い対処が必要です。

糖尿病網膜症

糖尿病網膜症は、糖尿病の三大合併症(腎症、神経症、網膜症)の一つです。中途失明原因の上位に挙がる眼疾患です。眼の奥の網膜には多くの細かい血管があり、網膜へ酸素や栄養を供給しています。血糖値が高い状態が続くと眼内の血管が徐々に詰まって、網膜に栄養や酸素が届かなくなります。そのような状態になると、網膜に新しい血管(新生血管)が生まれ、酸素不足などを補おうとします。

しかし、この新しい血管は脆く、硝子体出血しやすく、悪化すると増殖膜を形成します。その結果牽引性網膜剥離を起こし、失明の原因にもなります。
ある程度進行した網膜症はレーザー治療や硝子体手術、抗VEGF薬の硝子体注射などを行いますが、まずは血糖値のコントロールが病気の進行を防ぐ有効な治療になります。糖尿病網膜症は徐々に進行するため、初期の場合自覚症状がないことが多いです。まだ見えるから大丈夫という自己判断は危険です。糖尿病網膜症と診断された場合でも早期発見・早期治療で進行を遅らせることができます。糖尿病と診断された方は、目の症状がなくても定期的に眼底検査を受けるようにしましょう。

高血圧眼底・動脈硬化症

眼底は体の中で唯一血管を直接見ることができます。高血圧や高脂血症があると血管が硬くなったり細くなったりします。眼底検査を行い網膜の血管を見ることで、全身の病気を発見することにもつながります。徐々に血管が傷んでしまうと、出血や網膜の浮腫、視神経乳頭の浮腫などの高血圧網膜症、網膜静脈閉塞症や網膜動脈閉塞症など重篤な視力低下をきたす病気を発症することがあります。

網膜静脈閉塞症

網膜の血管のうち、静脈が閉塞し発症します。血栓が原因であったり、血管交叉部の閉塞が原因となりますが、基礎疾患として高血圧、高脂血症、糖尿病を持つ方に多いです。症状は軽症から重症まで様々で、視力に関わる黄斑部に浮腫や出血が起きると視力低下、物が歪んで見えるなどの自覚症状が出ます。治療は抗VEGF薬の硝子体注射やレーザー治療、硝子体手術などです。